お茶の水女子大学附属図書館のLiSA(Library Student Assistant)の活動ブログです。LiSAは、LiSAメンバーと図書館スタッフの協働による図書館活性化のための活動です。
貴重な体験 : レプリカの作成
2009年06月26日 (金) | 編集 |
MMCのおくだです。

歴史資料館では、「歴史資料館施設整備募金」により、
劣化や損傷の激しい資料の修復や、貴重資料の複製(レプリカ)の作成を進めております。

そのうちのひとつである「幼稚保育図」(武村耕靄画、明治23年)のレプリカは、
京都の美術工房である便利堂さんにお願いしています。
今まで何度も足を運んでくださって、作品が仕上がりつつあるのですが、
25日には京都から絵師の方お2人が同行され、原本と見比べながら補彩を施す作業が行われました。

便利堂さんオリジナルのコロタイプ印刷技術により6版を重ねたものに、
絵師の方の筆により、細かいところに色を重ねて、作品に厚みを加え、
より原本に近いものにしていくのです。

まず原本の絵とコロタイプ印刷したものとを並べて、詳細に見比べます。
はじめに印刷されたものを拝見した時は、「わあ、すごい、よくできてる!」と思いましたが、
原本と隣り合わせで見比べてご説明いただくと、たしかに微妙な色合いなどが、まだ違っています。
この「見比べる」ということがとても大切で、これまで写真も何枚も撮られていましたが、
やはり現場で原本と見比べないとわからないことが沢山あるのだそうです。

実物と見比べ
(奥が原本、手前が今回お持ちいただいたコロタイプ印刷によるベースです。)

そして原本と見比べながら、慎重に、絵師の方が日本画の顔料を使って、色を補っていくのです。
これを「手彩色(てざいしき)」というそうです。
絵具を溶くところから拝見していましたが、ずらりと並んだ絵具は美しく、
プロの自信と貫禄が感じられます。

顔料

顔料には、金泥(きんでい、金色、本物の金!で、ちょっと興奮)、
       胡粉(ごふん、白色、貝殻をすりつぶしたもの)、
       岩絵具(いわえのぐ、青や緑その他、鉱物由来、細かくすりつぶすほど白っぽくなる)
などあるそうで、実物を拝見して、「なるほど~」と感嘆しきりです。

そしてさまざまな種類の刷毛と筆を使って手早く正確に色が重ねられていく様は、
まるで神技のようです。
素人としては、「間違っちゃったら大変だよね?」と息をつめて見つめていました。
「汚したら大変!私、弁償できないし」とそばに近寄るのもこわいような。
       
補彩
手元

まさに絵師の方の肉眼と筆さばきにかかっているのですね。
このような工程を目にする機会はめったにないのではないか、と思うと、
なにやら感心というより、感動です。
補彩のあとはまた京都に帰られて、仕上げは京都の工房でなさるそうです。
コロタイプ印刷も含め、プロの技って、さすがですね。

とても興味深い貴重な体験をさせていただきました。
便利堂さん、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。
レプリカの完成と、彼(彼女?)がお茶大にやってくるのを楽しみにしております。

歴史資料館に展示されますから、学内外の皆さまにもぜひご覧いただきたいです。

関連記事

コメント
この記事へのコメント
お世話になってます
昨日は、幼稚保育図の原本照合を
させて頂き有難うございました。
頑張ってよい複製を作ります!
ブログ読ませて頂きました。
すごく、かっこよくまとめて下さり、嬉しいです。自分の仕事に誇りを持たせていただいています。
その上、皆さんに作業の様子を見て頂き、嬉しさいっぱいでした。
もし、京都に来てくださったら、工房へお立ち寄りください。
有難う御座いました。
2009/06/26(金) 19:21:32 | URL | 山本 修 #-[ 編集]
コメントいただきありがとうございました
便利堂の山本さん、はるか京都からありがとうございます。
工房もぜひお訪ねしたいです。

うちの子も、京都で仕上げのお化粧ですね。
美人(なんとなく、女の子ということで)に仕立ててくださいね。
よろしくお願いいたします。
2009/06/30(火) 14:52:50 | URL | おくだ #-[ 編集]
工房見学は楽しかったです
山本さん

コメントありがとうございます。
2月に京都の工房におじゃまさせていただきましたけど、本当に楽しかったです。
その時、熱くコロタイプを語っていただいたイシベさんはお元気でいらっしゃるでしょうか??(^^)
2009/07/01(水) 09:15:43 | URL | もできりこ #-[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック